スーパーマンといえば、1938年に誕生したアメリカン ・コミックス初のヒーローであり、現在でもその地位はかわらない。
だが、 「スーパーマンの呪い」というものがあり、都市伝説化している。
スーパーマンの呪いとは
それは、初代のスーパーマン役を演じたジョージ ・リーヴスと2代目のクリストファー・リーヴの身に降りかかった災厄によって生まれた言葉で、たちまち、ポップ ・カルチャーの聞に深く浸透している。
きっかけは2003年3月のCNNの記事だとされている。当時、ワーナーブラザーズは新しい「スーパーマン」シリーズを企画していたが、主役に予定していた俳優が、次々代わってしまうという異常事態が起こった。
その理由というのが、「スーパーマンの呪い」だった、と記事は伝えている。
スーパーマンの呪いの起源
「スーパーマンの呪い」という言葉は、 1980年代に映画 『スーパーマン」4部作で、スーパーマン役を演じたクリストファー・リーヴの身に起こった事故によって、生まれたものだ。
周知のとおり、彼はクロスカントリー競技中に落馬して首を骨折。
首から下が麻療となった。その後の 2004年10月10日、心臓発作 により亡くなっている。
そのリーブが、それも突然、亡くなったことから、「スーパーマンの呪い」が、再びクローズアップされた。
スーパーマンの呪いの異論・反論
ただし、呪いの原因はあいまいである。
呪いの信奉者の中には、原作者のシーゲルと作画家のシャスターのふたりと、彼らの著作権をもっ雇用主の彼らに対する不当な利益配分をめぐる争いが、スーパーマンの呪いが生み出す元凶になったと主張する者もいる。
その呪いが、日本でも人気テレビシリーズとなった「スーパーマン」の主役を演じたジョージ・リーブスにも降りかかっていたという。
そのリーブスは、 1951年から1957年まで続いたそのシリーズ終了後のわずか2年後、自宅で頭を打ちぬかれた死体となって発見されている。
傍らには拳銃が落ちていたが、彼の指紋はついていなかった。
リーブスの死は自殺として処理されたが、真相はいまだ不明のままだ。
このリーブスの不審死は別としても、過去のスーパーマン映画に出演した俳優や関係者の死は、よく調べてみると、大半が癌や糖尿病、心臓病などの持病が悪化したケースや、起こりえる事故のたぐいで、原因不明の死というものではなく、「呪い」にはほど遠いものであったことがわかる。
スーパーマンの「呪い」ではなく「祝福」?
そして別の情報がある。呪いどころか、スーパーマン映画で悪役を演じた俳優たちが成功している、という注目すべき事実がある。
たとえば、スーパーマンの宿敵である悪の科学者レックス ・ルーサーを演じたジーン・ハックマンは、「スーパーマン」に出演後も、 俳優業で多くの成功を成し遂げている。
また 『スーパーマン1」と 『スーパーマン2」でクリプトン星を追放された悪人であるゾッド将軍を演じたテレンス・スタンプ、さらには、出演者のパド・コリヤーやテリー・ハッチャーなどの俳優たちもスーパーマン作品と関わった後に成功を収めている。
つまり、実際には「呪い」など存在しないのだ。 その証拠に、スーパーマンはミュージカルとか新しいテレビシリーズにもなっているが、そこでは「呪い」めいたことは、いっさい起こっていない、と関係者は語っている。
それにも関わらず、この呪いのジンクスを、いまだ真剣に受け止めている俳優たちがいて、破格の出演料を提示されても新作のスーパーマン映画への出演を断ったという話も伝わっている。