ARKヒルズとは
ARKヒルズという、日本で最初の大型都市再開発計画を練り上げたのはMビルだった。
東京都港区に本社をおく総合デベロッパーである。
この再開発をきっかけにしてMビルはその後、大きく成長することができた。
Mビルにとっては正に記念すべきプロジェクトとなった。
赤坂、六本木、神谷町と3つの頭文字を並べてARKとしてというのが、公式な見解とされている。
しかしよりにもよって、社運を掛けた巨大プロジェクトに聖枢(アーク)という名を好んで付けるだろうか。
その名前は必然のものだったのだと都市伝説は告げている。ではなぜ、この地にアークが必要だったのかしかも、この建物は完全な双頭のタワー、都市モニユメントとし
て仕上げられている。
それは、いったいなぜなのか?
ARKヒルズの奇妙な構造
ARKヒルズ全体の構造をよく観察していただきたい。
下から大きく聞かれたアプローチをエスカレーターで登ると広場に出る。
サントリーホールへと向かうその広場には大きく水が流れ落ちる噴水が作り込まれている。
ここまでは皆さんも、多くの人が訪れる場所かもしれない。
特筆すべきはさらにホlルの裏手まで石段が組まれ、あちこちに石製のオブジェが置かれていることだ。
石で組み上げられた庭園は、その下にある何者かを閉じこめるための呪文のようにさえ感じられる。
庭園を見下ろすように白亜のビルが二本そびえているのだ。
ARKヒルズの構造は風水が関係している?
噂では、Mビルの設計部には、密かに『風水部門』があるという。そこに雇われた風水師が巧みに「設計』することで、都市を俳個する魔の者たちから開発地域を守っているのだというのだ。
ARKヒルズに出現する落武者
かつて一世を風廃した報道番組があった。その番組は毎晩辺時に放送が始まった。
するのはお時叩分頃のこと。大都会の中空に浮かんだように見えるスタジオセットは、実は地下3階に組まれた物で、司会者は時折、外の天気を気にするなど茶目っ気を見せたものだった。
そこに落武者が現れるのはきまって深夜2時を過ぎた頃だという。
いつのころからかスタッフの間で「2時を回ったらスタジオには行くな」と噛かれるようになっていった。
落武者が現れるのは、なんとエレベーターの中なのだ。地下4階で止まったエレベーターのドアが聞くと中でガシャガシャと物音を立てながら走っているのだという。
まるで地団駄を踏んでいるかのようだつたと目撃者が証言する。
スタジオからさらに下がった地下4階にだけ、その落武者は現れるというのだ。
セットなどが組み上げられる美術倉庫などがある。テレビ番組に携わる人間でもごく限られた者だけが訪れる場所だ。
ちょうどその場所で命果てた落武者なのか、あるいは何かの都合でその深さに葬られたとでもいうのだろうか。
なぜARKヒルズに落武者が現れるのか
そもそもテレビ局が立っている場所という所には、なにか『気』のようなものが集まるのか、発せられている電波に何かが引き付けられて集まってくるのかもしれない。
実は、スタジオのあるARKヒルズそのものが、かつて晒し首やご〈もんはりつけ獄門張付の刑場の跡地に立っているともささやかれている。
同じように赤坂に立つTOSも元々は大きな寺の敷地にあるとされる。それを旧日本陸軍が接収し電波塔を建てたのが始まりだといわれている。
さて地下4階の落武者に話を戻そう。エレベーターの中で動けずに足踏みしている落武者、その素性は分からない。
落武者の特徴
「目撃者」の話を総合すると、こうなる。全身が、甲胃に覆われていること。ザンパラ髪を振り乱していること。
顔はどんな顔をしているのか、よく見えない。そこでなにやうめら岬いていたりする。
時には雄叫びであったり、岬き声であったりと証言にはバラツキがある。共通しているのは決して追いかけて来たりしないことである。
むしろそのエレベーターの中で一歩も動けないというのが、目撃者たちの語る落武者の様子である。
この落武者をその場所に閉じこめているのは、なにか強い呪いの力なのか、あるいは上部にたてられた巨大な2本のビルの力なのだろうか。
ARKヒルズの2本のタワーは、その落武者の亡霊をそこに封じ込めておく役割を果たす白い墓石のように見える。