テレビのUFOスペシャル番組
テレビのUFOスペシャル番組が全盛のころ、どこで調べたのか筆者宅に、中年女性の声で電話がしばしばかかってきた。それも夕方の決まった時間にだ。
「3歳になる息子が、宇宙人にさらわれそうなんです。なんとかしてください」
「どういうことですか、それって?」
「いつも夕方になると、声が聞こえてくるんです。もう子供が連れていかれるのではないかと思うと心配だし恐くて」
「うーん、それはご心配ですね」
そう答えるしかない。やがて、時計の針が午後5時日分をさす。
「じゃあ、どうも」決まって、そっけなく電話が切られる。きっと、ご主人の帰宅時聞が迫っているのではないかと思った。
何度目かの電話で、さすがに閉口し、「何度電話をもらっても、申し訳ないけど、お役にはたてないですよ」そう、ビシッといったら、以後、電話はかかってこなくなった。
チャネリングブーム
これは、彼女自身の中だけで起こったチャネリングだと筆者は思っている。
1980年代、アメリカ西海岸を中心としてチャネリングブームが起こり、ニューエイジの旗手となった、女優シャーリー・マクレーンが自叙伝の中でチャネリングを紹介したのも、ブームに拍車をかけた。
チャネラーは、地球外生命(プレアデス、オリオン、琴座、シリウス、アンドロメダなど)や神霊、さらには地球に潜む意識体ヘ肉体を必要としないエネルギー体、宇宙のどこかにいる高次の存在などと交信する。
チヤネリングの特徴
チャネリングは、霊媒が行なう霊界通信よりずっとスケールが大きく、通信ソースが多岐にわたって存在している。それがチヤネリングの特徴である。
それにしても、この地球は、さまざなところからアプローチされているものだと、感心させられる。
では、肝心のチャネリングの信憲性やいかに・残念ながら、客観的な証拠は何もないのが事実だ。
通信の内容たるや、明らかにチャネラーの想像力の産物だったり、思いこみとしか思えないようなものがほとんど。つまり、精神を癒すご託宣だったり、地球平和を説いたり、近未来に異変が起こるとかの類いで、いかにも当たり前で地球的でしかない。
チャネリングの証拠
あっと驚くような異文明のテクノロジーを教示したり、高次の存在が宇宙の秘密を説いたり、数学者が解けないような未知の数式を通信してくるとか、いわゆる、異世界からのチャネリングの証拠となるハード・エピデンスがひとつとしてない。
チャネリングが金儲けの手段
だが、チャネラーはそんなことは一切、意に介さない。名が売れたチャネラlは、当然のようにセミナーを聞き、もっともらしいことを説き、高額な会費を徴収し、その際の録音テlプやその他、書籍・グッズなどの販売といったビジネスにつなげていく。
アメリカはもちろん日本でも、チャネリングが金儲けの手段になという批判もあった。チャネラーの中にはスピリチュアリズムの面からみて、優れたチヤネリングをする人物もいそうだ。
ただし現時点でのアメリカや日本におけるチャネリングの現状を見るかぎり、チャネラーの質の低下は否めない。そして、それを無条件に信じてしまい、自分を見失ってしまう人々が、まだ多くいるのが気がかりだ。筆者は、チャネリングをはなから否定する気は、毛頭ない。宇宙人や神、高次の存在などをまったく否定はできない。
この世には、常人が感知できない波動が存在するかもしれない。
ちなみに、人間には、「第三の目」と呼ばれる部分がある。それは、脳下垂体・松果体といわれる頭部の中央に位置する脳の器官で、透視や霊波動を感知する重要な役割を果たしているといわれ、ヨーガではビッシユダチャクラなどと呼ばれている。真のチャネラーは、第三の目でそれを感知する能力を秘めているかもしれない。しかし、筆者が求めているのは、ただひとつ。ハード・エビデンスなのである。