3本足のリカちゃん
リカちゃん人形に関する怪談話は多々あるが、よく知られているのが「3本足のリカちゃん」である。流布している話はこうだ。
数年前のことだ。茨城のある工場で機械が故障。このとき、なぜか3本足のリカちゃん人形が製造されてしまった。
この作業工程のミスで作られた人形が、なぜか市場に流通してしまった。
気づいた工場関係者の手で大半は回収されたはずだった。
ところがである。未回収の人形が存在していたのだ。その人形が、とんでもない災厄を招いている。
ある日のこと。女性が公衆トイレに入った。用を足し終わったとき、まるでふってわいたように、汚物入れの横にリカちゃん人形が置いてある。
何でこんなところに?
すぐ手に取ってみると、服がかなり汚れていた。
思わず、手で拭いやったとき、妙な違和感がある。見ると、なんと足が3本あったのだ。それも、お尻のところから他の足とは質感の違う肉色の3本目の足があった。
気色悪くなり、放りだしてしまった。
すると、どうだ。件のリカちゃんは、その3本目の足でスクッと立ち、女性を腕みつけて、訴えた。
そう、リカちゃん電話で流れるあの無機質な機械的な声で
「わたしリカちゃん。呪われているの。わたしリカちゃん。呪われているの」
壊れたように、なんども繰り返ししゃべった。
恐怖も頂点に達した、その女性はトイレを飛び出して、家に逃げ帰った。ところが、その後も、リカちゃん人形の声が聞こえてきて、錯乱した彼女は、発作的にボールペンを手にして自分の鼓膜を破ってしまった。
病院に運ばれたが、鼓膜は元にもどらず、耳は聞こえないままだった。ところが、あの声だけは、いつまでも聞こえてくる。結局、精神に破綻をきたして、精神病院に収容されたという。
呪われたリカちゃん人形別バージョン
話に、別ヴァージョンもある。夜、公園脇を通って帰宅途中の女性の体験話だ。
彼女は、砂場に埋まっているリカちゃん人形に気づき、なぜか拾ってしまう。
が、触れた瞬間、手に違和感がある。見ると横腹あたりから足が1本出ているではないか。
気味悪くなって放り出してし歩Aでつ。とたんにリカちゃんがしゃべりはじめる。
「わたし、リカちゃん。わたし、リカちゃん。呪われてるの、呪われてるの、呪われてるの」
恐怖で、一瞬体が凍りついた彼女は、夢中で家にむかつて走った。
だが、帰宅しても、その声が聞こえてきて、耐え切れなくなった彼女は、鼓膜を破ってしまったという。
呪われたリカちゃん人形の真相
この3本足のリカちゃん人形の話は、自らの手で鼓膜を破るという自虐的な行為に走る、というパターンに終始している。
いっておくが、そんな事実はない。
まず、3本足のリカちゃん人形が工場で生産されようはずもない。都市伝説の中だけでリアリティをもってイキイキと語られる、「3本足のリカちゃん」というキャラクターのお話である。