ひとり暮しの女性を狙う犯罪が、頻発している。
空き巣であったり、レイプ目的だったり、中にはクローゼッ卜や浴槽に隠れて様子をうかがっていた、などいう恐い事件が、新聞に報じられている。
ベッドの下の男の話
もうだいぶ前になるが、友人から聞いた話をしよう。
それは彼女の親友のM子が大学受験に合格し、親と一緒に住んでいた熊本の実家を離れて、東京で夢だった一人暮らしをすることになったときの体験だ。
大学に通いはじめてちょうど3か月めのこと。M子の親友のK美が自分のアパートに遊びにくることになった。
同じ東京の大学に進学したが、忙しくなかなか会えず、楽しみにしていた。K美は約束どおりアパートへやってきた。
「ひさしぶり」
「さああがって、あがって」
ふたりは、お茶を飲みながら、おしゃべりをはじめた。
何の勉強をしているのか、サークルに入ったのか、彼氏はできたのか、と次から次へと話題が展開していった。
午後6時をまわり、ふたりは部屋を出て、近くにあるパスタ料理の店にいった。
そこでも話が盛り上がり、店を出たときには午後8時をすぎていた。
部屋にもどってからも話は続いたが、やがて眠くなり、M子は自分のベッドで寝て、K美はベッドの横に布団を敷いて、電気を消した。
それから10分ほどしただろうか。
「ねえ、 コンビニいかない?」 K美が、そういってM子を起こした。
「え?、今から?」M子は面倒臭そうにいった。
「急にアイスが食べたくなっちゃった!」
しかたなく、M子はK美について、コンビニに行くことになった。
部屋を出て、アパートの階段を下りると、K美がM子の子をつかんで走りだした。
「早く、駅前の吏番にいこう!」
「なんで、どうしたの?」するとK美をがこういった
「見ちゃったの!ベッドの下に、包丁を持った男が隠れているのを」
その男は警察に逮捕されたという。
「ベッドの下の男」の起源
この話を聞いて、筆者は思わず吹き出し
「おいおい、それって都市伝説だろ!」と、姪をたしなめたことを思い出す。
そう、これはお馴染み「ベッドの下の男」という都市伝説のひとつだ。
「ベッドの下の斧男」などと呼ばれることもある。
要は、ひとり暮らしの女性の部屋に忍び込み、ベッドの下に潜むという殺人鬼の話だ。
話のバリエーションでは、鏡に映っている男に気づく場合もあるようだ。
たいてい、結末は男が逮捕されることになっているが、男が登場人物を殺害して逃亡し、姿を消すというバージョンもある。
元ネタはアメリカの都市伝説だとされている。1912年には、ずばり「ベッドの下の男」という映画が作られているらしい。
現実に、 2001年1月、東京都中野区で女子大生の部屋に合鍵を使って留守宅に侵入した31歳のストーカー男が、ベッドの下に隠れていたが、発見されて逮捕されるという事件が起きている。
女子大生は鍵を玄関先に隠していた。
それを男に見つかり、知らないうちに合鍵を作られていたのである。
まとめ
しかし、この都市伝説を見聞きしたおかげで、 戸締まりや空き巣 には気をつけよう、と用心した人もけっこういるらしい。
その意昧では、都市伝説も防犯にひと役買っているであろう。