そこに行けばどんな夢だってかなうという夢の国だが、1996年春、その夢の国にとても迷惑な噂が広がった。
ディズニーランドでの誘拐の話詳細
それは、子供たちが園内で、行方不明になり、どこかへ消えていく。
その背後には、臓器売買目的で子供を誘拐するアラブ人組織が暗躍している、というのだ。
フリーの週刊誌ライターSが、真相を追った。
やがて彼は、事件を知るという都内の会社員Mさん夫妻にたどりついた。
Mさん夫妻の知人が聞いたという話はこうだ。
T夫妻が、4歳の娘を連れて夢の国を訪れた。閉園近く、トイレに行った娘が行方不明になった。
迷子センターの責任者が出入り口を1カ所だけ残して封鎖。
かなり時聞が経った頃、アラブ系の外国人の集団に連れ出される寸前の娘を発見。
犯人はそのまま逃亡。娘は男の子の格好をさせられて、 麻酔薬を打たれたらしくぐったりしていた。
警察に通報したが、事件はウヤムヤになったままだという。
Sが聞いた別の女児誘拐未遂のケースは、もっと念入りだった。
その女児は、服はもちろんのこと、髪を短かく切られ、スプレーで染められたあげく、カラーコンタクトまで入れられて、まったく 別人のように見せかけられていた。
だが、母親が娘に履かせていた キャラクターシューズに気づいた。
女児を誘拐しようとして失敗。 逃亡した連中は、臓器密売組織のメンバーだったという。
いろいろな話を聞いているうちに、犯人は必ずしも外国人ではなく、また家族構成も変わっていた。
また誘拐未遂に終わるのが男の子だったりと、話にバリエーションが見られるが、なぜか話の本筋 は同じだった。
取材をすすめていくうちに、真相が明らかになった。
ディズニーランドでの誘拐の真相
この話は 一部週刊誌が取り上げるほどの騒動になったが、事件を裏づけるものはなく、まったく事実無根の噂だったことがわかったのだ 。
「誘拐事件の話は、本場アメリカ、カリフォルニア州のアナハイムとフロリダ州オーランドにある本家ディズニーワールドでささやかれた幼児 誘拐の噂がルーツで、それが日本にも伝わり、都市伝説と化してしまったみたいだ」とSは語った。
聞けば、園内では極秘の監視システムが作動していて、よほど巧妙かつ組織的でなければ、犯行は不可能だとのこと。
現実には、優秀な警備員が常に目を懲らしており、異常があればすぐにわかるセキュリティ・システムが施されているという。
それでも、”夢の国”が、都市伝説という名の悪夢を生みつづけている。
他にもあるディズニーランド関連の都市伝説
たとえば広大な敷地の地下に会員制の秘密クラブ (あるいはカジノ)があり、バニーガールならぬマウスガールがいるという話。
他にも「ホーンテッドマンション」でキスしたカップルは永遠に結ぼれるという話や、「スペースマウンテン」の事故死者の位牌の話。
他にも「カリブの海賊」に現れる幽霊の話などがあるが、その影で暗躍しているという幼児誘拐犯の噂は未だに、かなりの真実味をもって語り伝えられている。
ちなみに、スプラッシュマウンテン横のトイレが誘拐犯のターゲットとなっており、保護者たちの聞には、そこのトイレは子供たちに使わすな、というお触れがまわっているそうだ。
まとめ
何万人という人々が集まる夢の国。
この都市伝説は親たちに子供からは目を離すなヘとの教訓を、 告げているのかもしれない。