アメリカ合衆国では、なんと驚くべきことに、大統領が20年周期で暗殺されたり、在職中に不幸に見舞われたりしている。
第9代アメリカ合衆国大統領から始まる呪い
それは第9代アメリカ合衆国大統領ウィリアム・ H ・ハリソンの肺炎による死去から始まるもので、原因は、「呪い」。
この呪いをかけたのは、 1811年にティピカヌーの戦いでハリソンに殺されたショーニー族の族長、テコムサ(あるいは予言者であった彼の兄弟テンスクワタワ)だとされている。
その「呪い」は、初年ごとに選ばれる大統領の死を呪ったもの。
テコムセの呪いの詳細
事実、 1840年から1960年までの間に、加で割り切れる年に 選出された大統領は、その在職中に死去している。
たとえば、第9代大統領ウィリアム・ハリソン (1840年選出)は、就任30日にして肺炎で死亡している。
第16代大統領エイブラハム・リンカーン (1860年選出)は、 南北戦争終結直後の1865年4月、観劇中に暗殺されている。
第20代大統領ジェームズ・ガーフィールド (1880年選出)は、 母校のお周年同窓会に出席した際、政治的論功行賞をめぐって対立していた弁護士の凶弾に倒れている。
第25代大統領ウィリアム ・マッキンリー(1900年選出)は、 ニューヨーク州バッファローで聞かれたパンアメリカン博覧会会場で、ユートピア無政府主義者によって暗殺されている。
第29代大統領ウォーレン・ハーディング (1920年選出)は、 1923年の夏、遊説中に心臓発作を起こし、8月2日に脳溢血を併発して死亡している。
第32代大統領フランクリン・ルーズベルト (1940年選出)は、 第2次世界大戦末の1945年、日本攻撃に対するソ連の支持を取りつけて帰米、ポリオで衰弱した体に鞭打ちながら、サンフランシスコで行なう演説の草稿をチェックしているうちに脳溢血で倒れ、死去。
第35代大統領J・ F・ケネディ (1960年選出)は、テキサス 州ダラスで頭に銃撃を-つけて死亡している。
例外は、 1980年選出のレーガン大統領と2000年に選出されたブッシュ大統領だけである。
とはいえ、レーガン大統領も1981年3月30日に狙撃されている。
このとき、銃弾は補佐官の頭に命中。補佐官は一命はとりとめたものの、下半身不随となり、車椅子生活を余儀なくされた。
補佐宮の名は、ジェームス・ブレディ。自身の経験を生かし、 1993年の銃規制法、いわゆるブレディ法成立に尽力した。
話をレーガン大統領に戻すが、結局、その任期中に暗殺されることもなく、2期8年の任期を全うした。
彼が銃弾を受けながらも、わずか1インチの差で生き残ったことで呪いが解けた、という者もいる。
一方、病院が近くに無ければ彼は死んでいたと考える者たちもいる。
無事、任期を終えたレーガンだったが、 1994年にアルツハイマー症と診断された。
暗殺こそされなかったが、呪いが別の形でレーガンを苦しませたという見方もある。
そのレーガンは2004年に死去している。
2000年に選出されたジョージ w・ブッシュも、2期目の2005年5月10日、グルジアで演説中に手投げ弾を投げ込まれたが、不発に終わった。
ただしブッシュが呪いを免れたかはまだ定かではないといわれている。
テコムセの呪いの真相
一連の出来事が、本当にネイティブ・アメリカンの呪いなのかどうか、確たる証拠も出所もないというのが真実。
それでも、アメリカでは、テコムサの呪いとして語られることが多い。